親子経営の会社は自ら滅びの道を歩む
昔の仕事の関係上、会社経営のアドバイスを求められることがある。
主に中小企業からの相談ではあるが、その大半は親族で経営している会社である。
私の妻の会社もその一つである。
妻はその会社社長の姪にあたるのだが、普段から自分の会社の体制には疑問を持っていて、度々私に相談を持ちかけてきた。
構成はこうだ。
会長(祖父)
社長(叔父)
部長(祖母)
総務(叔母・叔父)
そして妻である。
現在本社と支社があり、支社は親族関係が一人もいない状態である。
何しろ妻以外は全員50歳以上であり、特に総務の二人は70に近く、ちょっと私には理解が難しい状態だった。
しかし、以前はそれなりに人がいた会社だったらしく、ピーク時には正社員を20人は抱えていたらしい。
なぜこうなってしまったのか?
私が相談を持ちかけられた親子経営の会社を見てるいると、幾つか共通点が見えてくる。それはこうだ。
- 定例会が親族の集まりになっているため、家族会議の様な場となっている。
- 報告・連絡・相談ができない。やっていない。
- 親族関係以外の社員を蔑ろにする(本人はしていないつもり)
- 会長職が実権を握っており、社長が何となくでしか動かない。
- 管理職に親族が集中する。
- 危機的状況に陥るまで、問題点を放置しやすい。
この特徴は、韓国によくある体制だ。
韓国は親子でグループ会社を経営する歴史があり、やはり役職には親族を置くという特徴がある。それが最も顕著に現れたのが、今回の朴槿恵問題だろう。日本の現首相も怪しい物だがね。
親族で上部を固めた結果、家族事情が経営に影響するのである。
妻は晴れて会社を退社することになった。
妻の父親と母親も元々この会社で働いていたらしいが、まともな感覚の持ち主だったらしく、すぐ辞めたらしい。
上部を親子で固めているような会社の役員が、これを見ているかは知らないが、そういう人は一度全く関係のない第三者から見た自社の感想を聞いてみれば良い。
何かしら問題が出てくる筈だ。
親族が大切なのは分かるが、その私情が原因で会社が潰れたら元も子もないのは肝に銘じるべきだろう。